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セミナー「レイシズムと植民地主義の視点から考えるイスラエル/パレスチナ問題」

 2023年10月7日以降、イスラエルのガザへの軍事作戦に対してパレスチナ連帯の大規模デモが世界各地で起き、南アフリカがジェノサイドにあたるとして国際司法裁判所に訴えるなど、国際的な非難が高まっています。そして、世界中で多くの人々がパレスチナの地で起きていることを「イスラエル/パレスチナ紛争」という、あたかも対等な者同士の対立であるかのような表現ではなく、イスラエルによる「アパルトヘイト」や「レイシズム」、そして「植民地主義」という言葉で語るようになっています。   ところが、アメリカやドイツを初めとする欧米諸国の多くがイスラエルを一貫して支持しています。日本政府もUNRWAへの支援を停止するなど、これに同調しています。さらに、ガザ攻撃やイスラエルの政策を批判する者が「反ユダヤ主義」と指弾され、発言を封じられたり活動休止に追い込まれる事例が欧米を中心に相次いでいます。一体なぜそのような事態になっているのでしょうか。   本セミナーでは、そもそもなぜこのようなジェノサイドが起きているのか、なぜイスラエル国家の政策を批判すると「反ユダヤ主義」と非難されるのか、その背景をレイシズムと植民地主義の視点から考えます。   ◆プログラム  講演1「イスラエルによる人口と紛争の〈管理〉―植民地主義とレイシズムの観点から」田浪亜央江(広島市立大学国際学部)  講演2「「10・7」以後に見るドイツの内なる植民地主義」木戸衛一(大阪大学)  コメント:清末愛砂(室蘭工業大学)  質疑応答、討論 ◆日時:2024年4月7日(日)14:00~16:30 ◆場所:オンライン(Zoomミーティング) ◆定員:100人(先着順。定員を超えた場合は同時配信のYouTubeリンクから視聴できます。リンクは当日、開会直前にお送りします) ◆参加申し込み: https://x.gd/Quwq1  ※参加を申し込んだ方には4月2日以降に、当日参加用のZoomリンクをお送りします。  ※当日参加できなかった場合も、後日、期間限定で視聴可能です(参加申込者に限る)。 ◆参加費:無料(カンパ歓迎)  ※カンパ振込先:   多摩信用金庫(金融機関コード1360)京王八王子支店(店番号042)   口座番号0417868   ダーバン+20あたりまえキャンペーン 代表前田朗(まえだ あきら) ◆主催:ダーバン+20

8/5 コリアン・ジェノサイドとは何か ――関東大震災朝鮮人虐殺100年に改めて考える

今年は関東大震災朝鮮人・中国人虐殺 100年です。すでに多くの団体が重要な取り組み進めていますが、私たちも8月にこの問題に関するオンラインシンポジウムを持ちます。  私たちの念頭にある重要視点は、第 1に世界史的視点、第2に歴史否定問題、第3にジェンダー視点です。 第1の点は、事件を 1923年に関東地方で起きた単発の事件に限定しないということです。すでに朝鮮半島に対する植民地支配とジェノサイドの関係が研究されています。私たちもその視点を重要と考えます。アルメニア・ジェノサイド、ユダヤ人・ジェノサイド、カンボジア・ジェノサイド、ルワンダ・ジェノサイド、ロヒンギャ・ジェノサイドに代表されるジェノサイドの歴史に位置づけて「コリアン・ジェノサイド」「チャイニーズ・ジェノサイド」の実相を検討することが必要です。同時にそれは朝鮮半島植民地支配下における日本軍による朝鮮民衆虐殺への視線を要請します。 甲午農民戦争や抗日義兵戦争、そして三・一独立運動などに際しての民衆弾圧の歴史です。 第2に、関東大震災朝鮮人虐殺の実相を具体的に再検証し、歴史を否認する動き(ラムザイヤー、小池百合子都知事ら)を批判的に検討し、「アウシュヴィツの嘘」「ホロコースト否定」のような「歴史否定」と同様に、やはり世界史的な流れに位置づけることを考えています。  第 3に、関東大震災朝鮮人・中国人虐殺に関して従来、必ずしもジェンダー視点が十分に踏まえられてこなかったとの反省の下、ジェンダー視点からの議論を組み入れたいというものです。虐殺被害者の多くが男性であると考えられたことから、私たちもジェンダー視点を十分考慮に入れることがありませんでした。しかし、関東大震災時に日本社会には「レイピスト神話」が流布しました。これと朝鮮人虐殺の関係を問い直すことが求められます。  以上の関心から、今回のオンラインシンポジウムでは次の 3つの報告を準備しました。  1.「ジェノサイド論から見た関東大震災虐殺」前田朗(朝鮮大学校講師)  2.「関東大震災時の朝鮮人虐殺否定論を批判する」鄭栄桓(明治学院大学教授)  3.「関東大震災時の『レイピスト神話』と朝鮮人虐殺」金富子(東京外国語大学名誉教授)   ◆日時:2023年8月5日(土)14:00-16:30 ◆場所:オンライン(Zoomミーティング) ◆定員:100人(先着順。定

5/31「徴用工問題」を考える連続講演会第3回:「1965年体制」の民主化のために―朝鮮植民地支配にいかに向き合うか

日韓間の懸案問題として混迷が続く「徴用工」問題とは何なのか。1965年の日韓請求権協定で解決したと日本政府は主張していますが、本当にそうでしょうか。その根本にさかのぼって考えるための連続講演会の第3回は、日韓・日朝関係の視点から考えます。 元「徴用工」など、日本の植民地支配による被害を受けた人びとは、1965年の日韓国交正常化によって救済されることはありませんでした。国交正常化により成立したその体制そのものに問題があったと指摘するのが、朝鮮現代史、日朝関係史が専門の吉澤文寿さんです。 吉澤さんは「1965年体制」は植民地主義の維持/再編であり、「徴用工」問題を解決するにはそれを変える必要があると主張しています。「1965年体制」を変えるためには何が必要なのかを考えます。 ◆日時:2023年5月31日(水)18:30-20:30 ◆場所:オンライン(Zoomミーティング) ◆定員:100人(先着順。定員を超えた場合は同時配信のYouTubeリンクから視聴できます。リンクは当日、開会直前にお送りします) ◆参加申し込み: https://na01.safelinks.protection.outlook.com/?url=https%3A%2F%2Fus02web.zoom.us%2Fmeeting%2Fregister%2FtZYudemvpjIvHt0EBKfuEXUfHOl0FScpS7XX&data=05%7C01%7C%7Ce53331e2f8964d14674408db455795c5%7C84df9e7fe9f640afb435aaaaaaaaaaaa%7C1%7C0%7C638180014694390865%7CUnknown%7CTWFpbGZsb3d8eyJWIjoiMC4wLjAwMDAiLCJQIjoiV2luMzIiLCJBTiI6Ik1haWwiLCJXVCI6Mn0%3D%7C3000%7C%7C%7C&sdata=rlSEsRcZEcUORFX267nNZ6dHtcgQvV5URSCsJPMjQyo%3D&reserved=0  ※参加を申し込んだ方には当日参加用のZoomリンクをお送りします。  ※当日参加できなかった場合も、後日、期間限定で視聴可能です(参加申込者に限る)。 ◆参加費:無料(カンパ歓迎)  ※カ

3/26 国際法の視点から植民地支配責任を考える――「徴用工」問題に私たちはどう向き合うのか

  ダーバン +20:反レイシズムはあたりまえキャンペーン 「徴用工問題」を考える連続講演会 第2回 国際法の視点から植民地支配責任を考える――「徴用工」問題に私たちはどう向き合うのか 日韓間の懸案問題として混迷が続く「徴用工 」 問題とは何なのか。 日韓請求権協定で解決したと日本政府は主張していますが、本当にそうでしょうか。 その根本にさかのぼって考えるため の連続講演会の第2回は、 植民地支配責任を国際法 の 視点から考えます。 日本政府は植民地支配下の朝鮮半島の人びとの徴用に強制性はない、日本の植民地支配は合法だったと主張します。しかし多くの人が甘言や嘘によって意に反して日本に連れてこられ、物理的な強制によって意に反して労働させられたことが分かっています。 そもそも植民地支配そのものを合法と考えていいのでしょうか。 世界各地で植民地支配が引き起こした集団殺害や人権侵害の責任を問う声がますます強まり、旧宗主国が次々と謝罪を表明し、賠償に応じるケースもある中、国際法はどこまで植民地支配責任を問うことができるのでしょうか。 国際人権法を軸に 阿部浩己さんに問題提起してもらいます。 ◆ 日時: 2023年3月 26 日 (日) 12:30-15:00 ◆ 場所:オンライン(Zoomミーティング) ◆ 定員: 100人(先着順。定員を超えた場合は同時配信のYouTubeリンクから視聴できます。リンクは当日、開会直前にお送りします) ◆ 参加申し込み:   https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZIpc-6prD4vGtcHFbYh2NL5crBecAFH71Uq  ※参加を申し込んだ方には当日参加用のZoomリンクをお送りします。  ※当日参加できなかった場合も、後日、期間限定で視聴可能です(参加申込者に限る)。 ◆ 参加費: 無料(カンパ歓迎)   ※カンパ振込先: 多摩信用金庫 (金融機関コード1360) 京王八王子支店(店番号042)    口座番号0417868    ダーバン+20あたりまえキャンペーン 代表前田朗(まえだ あきら) ◆ プログラム  イントロダクション:矢野秀喜さん(強制動員問題解決と過去清算のための共同行動事務局)  講演: 阿部浩己さん(明治学院大学 /国際人権法)   Q&A、討論 ◆ 主催

23/1/15(日)「徴用工問題」を考える連続講演会 第1回「終わりなき歴史責任とは何か」

   解決が求められながら日韓間の懸案問題として混迷が続く「徴用工問題」とは何なのか。解決を妨げているのは何なのか。その根本にさかのぼって考えるため、 3回連続の講演会を開催します。  第1回は、植民地支配責任を世界史的視野に立って考えます。植民地支配とその責任を問う視点を提示したダーバン宣言(2001年)の意義と限界を踏まえ、その後の20年間に旧植民地宗主国が示してきた謝罪と和解のための努力を振り返ります。私たちは、終わらない過去にどのように向き合い、どのように「克服」していく必要があるのか、高橋哲哉さんに問題提起してもらいます。  第2回は、植民地支配責任を国際法的視点から考えます。国際人権法を基軸に、植民地主義の現在をどのように解析するか、阿部浩己さんに問題提起してもらいます。  第3回は徴用工問題に焦点をあて、解決のために何が必要かを考えます。 **** 第1回 2023年1月15日(日)13:00~15:40 「終わりなき歴史責任とは何か」  講演:高橋哲哉さん(東京大学名誉教授)  イントロダクション:矢野秀喜さん(強制動員問題解決と過去清算のための共同行動事務局)   ◆場所:オンライン(Zoomミーティング) ◆参加申し込み: https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZEtf-itqjspGtVQIPP28AiKBzMNa62TARvf  ※参加を申し込んだ方には当日参加用のZoomリンクをお送りします。  ※当日参加できなかった場合も、後日、期間限定で視聴可能です(参加申込者に限る)。 ◆参加費: 無料(カンパ歓迎)  ※カンパ振込先:   多摩信用金庫(金融機関コード1360) 京王八王子支店(店番号042)   口座番号 0417868   名義 ダーバン+20あたりまえキャンペーン 代表前田朗(まえだ あきら) **** 第2回 2023年3月26日(日) 「国際法の視点から植民地支配責任を考える(仮)」  講演:阿部浩己さん(明治学院大学教授) 第3回 2023年5月頃(準備中)  徴用工問題の解決に向けて何が必要かを考えます。   私たちは、2001年のダーバン会議(人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に反対する世界会議)から20年目となる2021年に、 ダーバン反差別世界会議と

シンポジウム「歴史否定は何を傷つけるか――歴史修正主義とレイシズムがつくりだす社会」8月21日開催

ダーバン+ 20:反レイシズムはあたりまえキャンペーンシンポジウム 歴史否定は何を傷つけるか ――歴史修正主義とレイシズムがつくりだす社会 皆さまのご参加をお待ちします。   ◆日時:  2022年8 月 21 日( 日 ) 1 2 : 3 0- 15:40 ◆場所:  オンライン( Zoom ウェビナー) ◆ 参加申し込み(申し込み締切  8月20日) :   https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_tNIiRRcKQkq74I-ZzC0zZw   ※参加を申し込んだ方には後日視聴用のZoomリンクをお送りします。   ※当日参加できなかった場合も、後日、期間限定で視聴可能です(参加申込者に限る)。 ◆ 主催: ダーバン+ 20:反レイシズムはあたりまえキャンペーン ◆ 協力:  市民外交センター、人種差別撤廃 NGOネットワーク(ERDネット)、Peace Philosophy Centre、ヒューライツ大阪 ◆ 参加費:  無料(カンパ歓迎)   ※カンパ振込先: 多摩信用金庫 (金融機関コード1360) 京王八王子支店(店番号042)    口座番号0417868    ダーバン+20あたりまえキャンペーン 代表前田朗(まえだ あきら) ◆ お問合せ:ダーバン+ 20:反レイシズムはあたりまえキャンペーン  durbanRCS@gmail.com +:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:++:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+-   ◆ プログラム 1 関東大震災ジェノサイドを否定・歪曲する思考/加藤直樹   コメント カナダにおけるジェノサイド問題を考える/乗松聡子 2 韓国における歴史否定言説とそれへの対応/趙慶喜 3 「反日種族主義」論の日本における影響/古橋綾     「慰安婦はいなかった」「強制連行はなかった」「南京大虐殺はなかった」「関東大震災朝鮮人虐殺はなかった」 ―― 「歴史戦」のスローガンの下、ジェノサイドや非人道的行為の歴史を否定する言説が次々と繰り出され、メディアを席巻しています。被害者を侮辱し、歴史学の成果を無視し、人々の歴史意識を歪める歴史否定言説は、どこから生み出されるのでしょうか。どのように猛威を奮うのでしょうか。これに対してどの

シンポジウム「みんな違って、みんないい」に違和感あり! ―「ダイバーシティ」でホントにいいの? 報告

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◆日時:  2022年2 月 1 9 日( 土 ) 12:30-15:00 ◆場所:  オンライン( Zoom ウェビナー) ◆ 主催: ダーバン+ 20:反レイシズムはあたりまえキャンペーン ◆ 協力: 人種差別撤廃 NGOネットワーク(ERDネット)、Peace Philosophy Centre、市民外交センター、ヒューライツ大阪 第1部  講演と対話「ダイバーシティ」への異議 発題1  「マジョリティの特権とは ――レイシズムの観点から」  出口真紀子(上智大学)   本シンポジウムのテーマは、「多様性(ダイバーシティ)」の尊重という流れに潜む不公正あるいは隠された差別を明らかにし、公正な社会への道筋を示そうというものである。出口報告は、これに対し、これまでの人権学習がマイノリティ側について学ぶことに終始してきたとし、むしろ特権を持っているマジョリティ側に、その態度・心理・行動・成長を自覚させる教育を提唱する。なぜこうした教育が必要かといえば、マイノリティに対する差別の問題は、ほとんどマジョリティの側に問題があるからだ。現在の日本社会では、具体的な集団に対し総括すれば「マイノリティ特権」というヘイトの言葉が溢れるが、むしろ「特権」はマジョリティの側にあるという認識は極めて重要なポイントである。  この「特権」という言葉は一般的にどう認識されているだろうか。大学生に多い回答は、一時的な立場に基づく優遇を指す。また、「マジョリティ特権」とは、あるマジョリティ側の社会集団に属していることで、労なくして得られる優位性であり、この優位性には権力も含まれる。そして、「マジョリティ特権」は、自動ドアの例で説明される。ある人間が入口から入って大きな建物の中を進んで行くとする。彼は、ただ目的地に向かって普通に歩いて行くだけである。途中にいくつもの自動ドアがあるが、彼が歩いて行くと、ドアは自動で開き、ドアがあることさえ認識せずに進んでいける。彼自身は、自分をマジョリティの側の人間とも認識していないかもしれない。行きたいところに進んで行けば、道が何の苦労もなく開けるのである。比較すれば、マイノリティに属する人は、歩いて行くと、途中に何重にもドアがあるが、それぞれ自動では開かない。ドアを開けるには鍵や番号が必要かもしれないし、どうやっても開かないドアもあるだろう。この自動ドアのたと